さくもとコラム「ずっと・ずっと健康で」 Vol.13 「中小企業における健康管理、とりわけ熱中症対策」

Vol.13 「中小企業における健康管理、とりわけ熱中症対策」

例年より梅雨明けが早く、暑さのピークが押し寄せています。

 

6月から、企業の規模を問わず、熱中症対策が「義務化」されています。

中小企業にまでも義務とされた今回の労働安全衛生規則の背景には、熱中症による死亡者の増加があります。

死亡に至ったケースの中には、WBGT(暑さ指数)を測定していないなど、中小企業における対策の不十分さも垣間見られていました。

 

日本における中小企業の割合は、99.7%、その従業員数は平均9.7人。(中小企業庁) このような企業構造を考えると、中小企業への義務化はどうしても外せなかったのではと考えられます。

 

さて、トラック事業者を対象とした、OCHISの2024年度の定期健康診断結果分析では、50人未満事業所のハイリスク者※割合は22%と、従業員50人以上のハイリスク者割合より5.2ポイントも高い結果が出ています。

 

この理由はもちろん複合的ではありますが、法律的な側面から考察すれば、50人未満事業場には健診結果の報告義務がない、そのことがそもそも要因の一つではないかと、推察します。

 

そこで、私見ながら、報告義務を現在の50人以上事業場から、せめて30人以上に引き下げてはどうかと考えています。

なぜならば、必然的に健診結果には目を通すようになるため、自社の有所見率や、従業員の健康状態が見えてきて、対策への意識向上に繋がると考えられるからです。

 

健康管理が難しく、事故が多いことを、「やむを得ない」と捉えるのではなく、従業員の安全と健康のために、「できることは行う」という中小企業が増えることを願います。

 

 

※ハイリスク者…肥満・高血圧・脂質異常・高血糖の内、3項目もしくは4項目が基準値を超えた人

さくもとコラム「ずっと・ずっと健康で」 記事一覧