Vol.5「秋の散歩道」

私が休日に散歩する自宅周辺には、少し足を伸ばすと田園風景があります。

しかし昨年まで稲作をしていた田は、一部畑になり、それ以外は雑草が茂ってしまっています。

体力が低下する高齢者に農作は難しいのでは・・・と、散歩しながら、その理由をいろいろと詮索しています。

また近所には、「後継者がいない」と先祖から引き継いだ広い田畑や土地を断腸の思いで手放す人も多いようです。

 

このような散歩道の中で、私が好きな秋の風景は、休耕地や空き地の中から見事に咲き誇るコスモス集団です。

花屋に並ぶ、“過保護コスモス”ではなく、冬は地下で「休養と栄養」を蓄え、晩夏から秋になると、1メートルほどの高さになり、力強く咲き出すのです。

このような花は、植物学的には多年草と言うそうですが、1年草の可憐さにはない、そのたくましさと美しさが、私の心を和ませてくれています。

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