Vol.14 国交省「睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」【改訂版】
待ちに待った、国交省の「睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」【改訂版】が、7月14日、やっと発出されました。本マニュアルの“歴史”は2003年に遡り、今回は4回目の発出となります。
2003年2月、新幹線運転士のSASを原因としたオーバーラン事件をきっかけに、SASが運輸関係者には不可欠な対策として、早速1か月後の3月、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)に注意しましょう」が発出されました。
その4年後、SASが疑わしい人だけの検査では、“重症者のすり抜け”につながるとの見地から、自覚症状の有無に関係なく検査を推奨することを目的とした改訂版が出されました。
そして、2015年8月、SASや検査だけの説明ではなく、企業における安全教育からフォローアップまでを一連でまとめ、運輸業界での取組を解説したマニュアル「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~」が発出されました。
10年前のこのマニュアルは、私が執筆したということもあり、OCHISのSAS検査結果分析や運輸事業者が難しいと考えている部分を、安全と健康の観点からできるだけ掘り下げてまとめました。
しかし時を経て、新たな対策上の課題が明確になり、CPAP治療が急激に進化していることを踏まえ、国交省には時代にマッチした改訂版の必要性を繰り返し進言してきました。
そういう私の思いが国交省に伝わり、安全政策課の課長を初め、専門官など皆様のご理解により、新しい形で発出できたことを大変うれしく思っています。
昨日、全ト協事業であるオンラインセミナーでも改訂版については触れましたが、本マニュアルが、皆さん方の身近なテキストとなり、活用されることを望むものです。
「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~」(国土交通省)-全ト協まとめページ
